京セラ(株)は、鋼加工用の切削工具(チップ)の新材種「CA025P」を開発した。3月より順次量産を開始し、4月2日より、本格的に販売を開始する予定。
金属部品の主要材料の1つである鋼は、自動車や産業機械など、あらゆる産業で使用されており、生産現場においては、耐摩耗性、耐欠損性、耐チッピング性に優れるなど、長寿命で安定的に加工できるチップが求められている。このたび投入する新材種は、超硬合金の母材にCVD(化学蒸着)の多層コーティングを施したもので、コーティング膜の1つに熱に強い新開発の厚膜酸化アルミニウム(Al2O3)を採用した。加えて、耐欠損性を高めた独自開発の超硬合金母材を使用することで、長寿命化を実現した。これにより、チップ交換頻度の低減や歩留まり改善などの生産性向上を図るとともに、最適なブレーカと組み合わせることで、荒加工から仕上げ加工まで、幅広いニーズに対応する。
新材種「CA025P」の特長は次の通り。
(1)耐摩耗性・耐チッピング性を向上させた新CVDコーティング膜の採用
CVDコーティング膜の1つに、熱に強い厚膜酸化アルミニウム(Al2O3)を採用。摩耗による変形を低減することにより、長寿命化を実現。さらに、特殊表面構造により、切削時の溶着を抑制し、耐チッピング性を向上させた。
(2)耐欠損性を向上させた新母材の開発
組成を最適化し、高温時に優れた特性を持つ超硬合金母材を、新たに採用することにより、耐欠損性を向上させた。
(3)既存ブレーカとの組み合わせにより、荒加工から仕上げ加工まで対応
既存の4種類(PG、GS、PQ、PP)のブレーカと組み合わせることで、荒加工から仕上げ加工まで対応できる。
<製品概要>
製品名:CA025P
型番数:74型番
推奨用途:連続~断続
発売日:2018年4月2日(月)
価格帯:770円~1,320円(税抜)
販売目標:3億円/年
生産拠点:鹿児島川内工場
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【鋼加工用切削工具】京セラ、「CA025P」開発
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