東ソーは、従来の業界スタンダード品と比べて耐ヒートサイクル性能(※1)を80%向上させたPPS(ポリフェニレンサルファイド)コンパウンドを開発した。
PPS樹脂は近年、燃費・消費電力の改善を目的とした自動車の軽量化による金属部品の代替や、電動自動車の普及などに伴い、需要が拡大していくことが予想されている。
自動車では金属端子・電極等、金属インサート成形(※2)される部品が多く、収縮率などの異なる素材から成る部品の耐ヒートサイクル性の向上が重要な要素となる。
また、開発品はウェルド強度(※3)や流動性も改良を行い、製品の薄肉化・複合化による自動車の更なる軽量化に貢献することが期待できる。今後はサンプルワークを本格的に開始し、量産化を検討していく。
※1 耐ヒートサイクル性能
高温と低温の温度変化に対する耐性
※2 金属インサート成形
樹脂成型用金型に金属を挿入して成形する手法
※3 ウェルド強度
溶融樹脂が会合する、製品の脆弱部分の強度