東芝デジタルソリューションズ(株)は、フィルムや紙などシート状製品の生産ラインで、微細な欠陥を高速・高精度で検査する「ウェブ外観検査装置 M9300」の販売を6月12日から開始する。
「ウェブ外観検査装置 M9300」は、フィルムや紙・不織布・金属などシート状製品(ウェブ)の製造ラインに、ラインセンサーカメラ(注1)と照明を設置し(図1)、画像処理を行うことで、キズや異物・虫などのさまざまな微細な欠陥(図2)を検査・分類するシステム。
今回、高速ラインセンサーカメラ(従来比4倍の640MHzのデータレート(注2))と高速画像処理技術を組み合わせることで、欠陥の検出能力と分類機能を大幅に強化した。高速ラインセンサーカメラの採用により、鮮明な画像を撮影する。これにより、従来はつぶれたような画像で異物と虫の区別が困難だった欠陥も、鮮明な画像で区別可能になった(図3)。さらに、鮮明な画像用の新たな欠陥形状の判定アルゴリズムを欠陥分類機能に追加することで、欠陥の自動分類能力を向上した。
■「ウェブ外観検査装置 M9300」の特徴
・高速ラインセンサーカメラの採用で、流れ方向の分解能が向上し鮮明な画像を撮影
・新たな欠陥形状判定アルゴリズムを欠陥分類機能に追加し、欠陥の自動分類能力を向上
・高度な画像フィルタリング処理で、微細欠陥を含むさまざまな欠陥の検出が可能
・価格は最小構成で1,500万円~(税別)
・お客様の製造工程・検査対象・内容などに合わせカスタマイズ可能
・導入済みのウェブ外観検査装置M9100シリーズにも、オプションとしてバージョンアップ可
同社は、6月27日(水)~29日(金)、東京ビッグサイトで開催される「第31回インターフェックスジャパン」に「ウェブ外観検査装置M9300」を出展する。
- 注1 ラインセンサーカメラ:一般的なカメラに使われているエリアセンサーカメラと違い、センサーがライン上に並んでいるのでフィルムや紙など一定速度で移動する対象物の撮影に適している
- 注2 640MHzのデータレート:ラインセンサーカメラから出力されるビデオ信号の周波数のこと。従来機種M9100シリーズでは160MHz
- 注3 同一条件(製品の進行方向、速度、明るさ等)で従来カメラ(160MHz)と高速カメラ(640MHz)で撮像し比較