<米国ジョージア州アルファレッタ、2018年6月14日>特殊ポリマーの世界的サプライヤーであるソルベイは、本日、Reign Medical社の画期的な新しいClench(r) 圧迫ステープルシステムの開発に必要とされる高い剛性と生体適合性をIxef(r) ポリアリールアミド(PARA)樹脂が有し、その製品開発に貢献したことを発表した。この圧迫ステープルシステムは、手および足を対象にした整形外科的処置用の単回使用骨ステープルキット。
Reign Medical社の革新的なClench(r) ステープルシステムキットは、完全使い捨ての滅菌手術器具セットで構成されており、手や足の骨片の固定、骨切り固定術、関節固定術に用いられる。その設計には、特許取得済みのねじ付きハブが使用されている。外科医がこのハブを使用して、挿入状態が適切になるようにインプラントを徐々に延長しながらニチノール製ステープルの機械的特性を維持し、埋め込み後の癒合部位をまたいで圧迫し続けることができるようになっている。同社は、複数の部品にソルベイのIxef(r) GS-1022 PARA(50%ガラス繊維強化グレード)を採用した。対象は、インプラントサイザー、ドリルガイド、インプラント送達装置の各部品(ハンドル、ステープルを設置するサドル、ステープルを強制的に全開にするねじ付き圧迫器など)。
これらの部品は機械的ひずみが発生するため、きわめて剛性の高い材質で成形する必要性がある。そして、ソルベイのIxef(r) PARA GS-1022コンパウンドが最適なソリューションであることが確認された。この生体適合性ポリマーは、金属にも匹敵する強度、剛性、寸法安定性を備えるだけでなく、きわめて優れた表面外観も特徴としている。Ixef(r) PARAは、耐ガンマ線着色品が多色にわたり用意されており、高エネルギーのガンマ線照射による滅菌処理に最適。滅菌後の外観や性能上の大きな変化はない。この材料は、ISO 10993に基づき生体との接触時間限定の生体適合性の評価を受けており、FDA マスターアクセスファイルでサポートされている。
「このキットの設計に対する当社の原動力は、現状製品と比べてより丈夫な単回使用骨固定システムを開発することでした」と、Reign Medical's Clench(r) Staple Systemのdevelopment engineerを務めるDaniel Lanois氏は述べている。「多くの競合製品には、性能が十分ではないプラスチックが使用されており、ニチノール製ステープルを開いた状態で保持するために必要な力に十分に耐えることができず、ステープルが早期に外れる原因になっています。開発当初はポリカーボネートとABSの混合物を検討していたのですが、すぐにIxef(r) PARAを選択しました。この樹脂は卓越した剛性を備えており、送達器具の部品を小型化しても、ステープルの圧迫のみならず、固定処置中にかかるねじり荷重、締め固め荷重、軸方向荷重にも確実に耐えることができます」。
「ソルベイにおけるオープンイノベーションの実践がReign Medical社のような顧客の成功に貢献しています。すなわち、材料科学に関連した問題と成形の課題については当社が解決に導くための支援をすることにより、お客様は医療機器の設計に全力を注ぐことができるのです」とソルベイのSpecialty Polymers Global Business Unitでbusiness manager for Healthcareを務めるJeff Hrivnak氏は述べている。「また、ソルベイでは、Clench(r) システム部品の成形プロトタイプについての結晶化度解析も実施しており、器具の有効性の検証と、部品が適切に成形されていることの確認を行っています」。 Reign Medical社の単回使用Clench(r) ステープルシステムは、2018年4月上旬にFDA認可を取得した。同社は、現在、この製品の最初の生産開始に向けてベータ試験を実施しているところ。
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【医療】Reign Medical社の整形外科および足病手術用高強度化圧迫ステープルシステムにソルベイの高剛性Ixef PARA採用
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