キヤノン(株)は、塗装面や光沢紙などの表面反射状態を評価する4つの指標※「光沢度、曇り度、 写像性、BRDF」を1つで同時に測定できる、ハンディーサイズの測定器“表面反射アナライザー RA-532H”を2017年4月上旬より発売する。
RA-532Hはフラットパネルディスプレイ用のフィルムや用紙の曇り具合をはじめ、自動車の外装塗装や各種パッケージの光沢感など、さまざまな製品の品質評価・検査において、表面の反射状態の計測に関する多様なニーズに対応する。
■4つの光沢指標の同時測定と目視による官能検査の数値化・画像化を実現
4つの光沢指標を1の測定器で同時に測定できることにより、検査項目による装置の使い分けや検査回数の削減が可能となり、品質評価・検査の現場での利便性と作業効率が向上する。表面反射状態は「人が見た感覚」と密接な関係があり、目視による官能検査が行われることが多い検査・評価項目 。目視で見ていた指標をデジタルデータで数値化・画像化できることで、従事する人の経験や能力にかかわらず判定結果を均一にし、品質の向上に寄与する。
■ハンディーサイズの測定器で2次元BRDFの測定を実現
新製品は、BRDFを2次元で測定することが可能。1次元のBRDFでは単一方向の反射量を測定するのに対し、2次元のBRDFではさまざまな角度の反射量を測定できるため、より表面の状態を判断しやすくなり、理想とする表面状態をより正確に得ることができる。さらに、本体の大きさは約143.5(幅)×57.3(奥行き)×60(高さ)mm、質量は約350gと軽量かつハンディー サイズで、内蔵バッテリーで駆動するため検査時の取り回しが容易。外部の検査機関に測定を委託することも多いBRDFの測定を自社で行うことが可能となるため、時間とコストの大幅な削減が可能になる。
※ 各指標の説明は、以下のとおり。
光沢度:光沢度合いやマット具合を測るのに使う。光の写り込みの明るさを示し、値が高いほど明るくなる。
曇り度:曇り具合を測るのに使う。値が高いほど白っぽくぼやけており、値が低いほど透明度が高いことを示す。
写像性:表面に写る像がどれほど鮮明かを示す。値が高いほど、像が鮮明でうねりやゆがみがないことを示す。
BRDF:Bidirectional Reflectance Distribution Functionの略。光が入射したときに、どの方向にどれだけの光が反射するのかを表す。
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【表面反射アナライザー】キヤノン、4つの光沢指標を同時測定できるハンディー測定器「RA-532H」を4月に発売
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