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【低誘電ボンディングシート】デクセリアルズ、FPC用層間接着材料「D5300Pシリーズ」を開発

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2019 06 06 dexerials1 デクセリアルズ(株)は、液晶ポリマー(LCP)と誘電率を下げた変性ポリイミド(Modified PI, M-PI)のいずれの基材にも使用可能なフレキシブルプリント基板(FPC)用層間接着材料、低誘電ボンディングシート「D5300Pシリーズ」を開発した。
 現在、5G通信などの通信・伝送の高速化が進み、その伝送路となるFPCには高周波の信号を損失なく伝えることが要求されている。多くの高速伝送向けFPCは、誘電率が低いLCPを基材として製造されているが、市場のLCP供給量に限りがあり、高速伝送向けFPC製造の課題となっている。また、LCPは従来FPCの基材として用いられてきたポリイミドと材質が異なり、加工などの取り扱いが難しいため、生産効率が下がってしまうという点も課題であった。
 このため、特に高速伝送の中でも6ギガヘルツ以下の信号を伝える用途では、LCPの代替としてM-PIを基材とするFPCが用いられはじめており、すでにスマートフォンのアンテナ接続などに採用されている。
 同社が開発した「D5300Pシリーズ」はLCPとM-PI両方の基材に対応する層間接着材料。この開発品は昨年開発した、LCPを基材とするFPC用層間接着材料「D5200シリーズ」の材料構成を見直したことで、M-PIの接着も可能になった。また、顧客ごとに異なる、FPC製造時の要求スペックを充足するべく、接着強度に優れる「D5310P」と耐熱性に優れる「D5320P」の2タイプを開発している。
 今回の開発品は誘電率(Dk)を2.3、誘電正接(Df)を0.0028に抑えており、LCPを基材とした6ギガヘルツ以上の高速伝送向けのFPCにも使用可能。さらに従来品同様、180℃で接着可能なため、既存のFPC製造設備を使用できる。
 また、UV-YAGレーザー加工性にも優れており、多層FPCでのブラインド・ビアホール※形成においても、サイドエッチングを抑えて加工することが可能。

■UV-YAG レーザーによる ブラインド・ビアホール※形成の例
※ブラインド・ビアホール:多層FPCの表面と内側の層を電気的に接続するための穴。通常レーザー加工によって形成する。

2019 06 06 dexerials2

 なお、開発品は6月12日(水)より、中国・深センでおこなわれる2019年世界FPC及応用材料産業大会会議内のセミナーにおいてご紹介する予定。


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