ハイデルベルグは2017年9月14日~24日までドイツ・フランクフルトで開催されたフランクフルトモーターショーにおいて、自動車産業の技術パートナーとして、カスタマイズに対応する高度なデジタル印刷技術を披露した。
メルセデス・ベンツ展示ブースで実演:“色彩を解き放つ”-smart向けのカスタムトリムをハイデルベルグの4Dデジタル印刷システムオムニファイアが披露
ネットワーク化が進み、より顧客の要望に沿った製造が必要であることは、自動車産業でも例外ではない。自動車産業が求める生産を実現する技衛をもったパートナーが不可欠な存在となる中、メルセデス・ベンツの展示ブースでは、来場者が自分の好みに合わせてsmartをデザインできるデモンストレーションが披露された。
実演に用いられたハイデルベルグの「オムニファイア250」は、一貫してデジタル化された手順で、smartのデザインから印刷までを行った。まず、コンフィギュレーションアプリを使って、来場者は内装パーツ(ベンチレーションノズル、インスツルメントパネル、マルチメディア操作パネルなど)を好みのモチーフで自由にデザインした後、全体のデザインをタブレットもしくはVR(バーチャルリアリティー)ゴーグルで確認。作成したデザインは、印刷用に最適化された後、ハプティック効果を使ったカラー印刷で実際の部品の表面に直接印刷される。これは、デジタル生産工程と結びついたハイデルベルグの新しいデジタルソリューション。
「私たちはフランクフルトモーターショー2017で、個別・多様化する未来を来場者にご覧頂き、自動車産業の技術パートナーとしての存在を示すことができました。デジタル印刷か崖業プロセスとの融合へ向かっていくことは、私たちを新たな成長市場へと導きます。私たちには、個別・多様化した世界を作り、お客様が求めるデジタルビジネスを様々な分野でサポートしていく能力と技術があります」と、ハイデルベルグの取締役会メンバーでデジタル最高責任者のウルリヒ・ヘルマン博士は説明する。
様々な形状、材質の物体へ印刷が可能なハイデルベルグの「オムニファイア1000」「オムニファイァ250」
大量に生産された高品質の製品を、個別の消費者や顧客に合わせてカスタマイズできれば、自動車産業をはじめとした多くの分野で、魅力的な新しいビジネスモデルが誕生する。これを可能にするのがハイデルベルグの4Dデジタル印刷技術。
「オムニファイア1000」と「オムニファイア250」は、例えばボール、飲料ボトル、ホッケー用スティック、車や飛行機の部品、また飛行機の機体そのものなど、ほぼあらゆる形状、材質からなる3次元の物体へのパーソナライズ印刷やデコレーションを可能にする。また、このシステムは、ほぼすべてのデジタル生産工程への統合が可能。
ハイデルベルグはこの印刷技術を2015年にドイツ・ミュンヘンで開催された産業用技術の展示会lnPrintにて公開して以降、インクジェットシステムを産業分野向けに開発し続けてきた。
デジタル印刷機の充実したラインナップ
フランクフルトモーターショー2017で4Dデジタル印刷システムを披露したハイデルベルグは、「Heidelberg goes Digital」というスローガンの元に推し進めているデジタルトランスフォーメーションの成功をより確固なものとし、製品ポートフォリオをさらに拡大し続けている。
昨年のdrupa 2016ではスマートプリントショップを発表し、産業分野のデジタル化ならびにデジタル印刷を展示会のテーマとして大きく掲げた。drupa 2016では、オムニファイアのほか、富士フイルム(株)と共同開発した、B1用紙サイズ対応の次世代インクジェットデジタル印刷機「プライムファイア106」を発表している。