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【IoT】住友化学、千葉工場の新ネットワーク基盤にNECのSDNソリューション採用

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SnapCrab NoName 2017 11 27 12 13 39 No 00 R 住友化学(株)は、IoT を活用した次世代工場(デジタルプラント)の実現に向けて、日本電気(株)(NEC)のSDN注1)ソリューションを千葉工場に導入し、新たなネットワーク基盤を構築した。
 住友化学は、中期経営計画のもと、持続的成長に向けた取り組みの1つとして「IoT時代の業務革新とワークスタイル変革」を掲げ、IoTを活用したデジタルプラントの実現や、グローバルサプライチェーン情報のリアルタイム可視化・高度化などに積極的に取り組んでいる。
 住友化学は、あらゆるものがつながるIoT時代におけるリスク低減のためには、サイバー攻撃や突発的な障害などの被害を最小化できるネットワークの多層化・階層化が必要と考えている。
 住友化学の新ネットワーク基盤は、千葉工場の情報系ネットワークを対象に、NECのSDN対応製品「UNIVERGE PFシリーズ」を中核として設計・構築したもので、主な特長は以下の通り。
(1)新たなネットワークの柔軟かつ迅速な構築が可能
 SDNの活用により、セキュリティ階層の異なる仮想ネットワーク(VTN)注2)を柔軟かつ迅速に構築が可能。システムごとに異なるセキュリティポリシーの適用や、サイバー攻撃時における被害範囲の最小化が可能となることで、IoTを活用したさまざまなシステムを支える多層化・階層化されたネットワークを実現する。
(2)GUIでネットワーク全体を可視化
 ネットワーク全体の構成や通信状況をGUI注3)画面で可視化し、仮想ネットワークを一元的に管理・制御できる。これにより、万一障害が発生した際に障害箇所を迅速に特定し、早期復旧に向けた対策を取ることが可能。
 住友化学千葉工場におけるSDN有効の効果は次の通り。
(1)拠点間における回線障害による影響を最小化
 住友化学千葉工場では、姉ヶ崎地区と袖ヶ浦地区の距離が離れた2拠点を常時ネットワークで接続している。平常時は、姉ヶ崎地区から制御することで同一セグメントのネットワークを構築・運用している。今回、袖ヶ浦地区に設置した予備のSDNコントローラと「デュアルクラスタ機能」注4)を活用することで、各地区それぞれが独立したネットワークとして運用できる。これにより、両地区のいずれかの回線に障害が発生した際の操業への影響を最小化でき、千葉工場の競争力向上と安全・安定操業に寄与する。
(2)ネットワーク維持運用コストを削減
 上記2の特長を生かし、自社のシステム担当者などが、より容易に、セキュリティを保ったネットワークを多層化することが可能となった。これにより、千葉工場におけるネットワーク維持費用を従来比で約3割削減できる見込み。
(3)デジタルプラントの推進に活用
 タブレット端末を利用して、現場で工場内の図面確認や保全記録作成ができる仕組みの構築に取り組んでいる。SDNによる仮想ネットワークの活用により、従来の強固なセキュリティ対策を維持したまま、保全担当者が現場で簡単に工場の計器や機器の情報にアクセスすることが可能になる。また、プラントの予防保全活動として、センサーを機器に取り付けることで、プロセスデータを収集し、AIやビックデータ解析などを用いてプラントの故障予知につなげることを検討している。
注1)SDN(Software-Defined Networking):ネットワークをソフトウェアで動的に制御することおよびそのアーキテクチャ
注2)VTN(Virtual Tenant Network):物理的なネットワークを共有した上で、ソフトウェアによって設定する論理的なネットワーク
注3)GUI(Graphical User Interface):操作対象が絵で表現されるユーザインタフェース。マウスなどを使用して直感的に操作可能
注4)2台の機器で冗長化する仕組みを活用し、平常時に運用する2 台の機器に加え、更に予備の機器を2台配置することで、障害時や被災時でもシステム運用の継続を可能とする機能


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