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【植物由来インキ】大日本印刷、環境に優しい「バイオマテックインキ」を開発

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2018 09 20 dnp 大日本印刷(株)(DNP)は、植物由来の原料を一部に使用することで環境への負荷を軽減できる「バイオマテックインキ」を開発した。食品や日用品などの軟包装材に使用するグラビア印刷用インキ(*1)を、植物由来原料を使用した「バイオマテックインキ」に切り替えることができる。

【背景】

 近年、記録的な大雨や高温などの異常気象が多発しており、その要因のひとつとして温室効果ガスの増大による地球温暖化があげられている。DNPは持続可能な世界を実現するために2030年までに達成すべき17の国際目標であるSDGs(*2)の実現を目指した取り組みを進めている。

 その一環で、温室効果ガスを製品のライフサイクル全体で削減できる、植物由来の原料を使用した包装用フィルム「DNP植物由来包材バイオマテック(*3)」を2006年に開発し、すでに多くの食品や日用品などの包装材で使用されている。また近年、海洋プラスチック汚染が大きくクローズアップされ、欧州連合(EU)では使い捨てプラスチック容器の禁止やリサイクルを義務づける法案が提出されている。全世界で使用後のプラスチックを資源として再利用するためのリサイクルを推進するべく、DNPは食品や日用品などに使用されるフィルムパッケージ向けに、よりリサイクルしやすい単一素材(モノマテリアル)で構成したパッケージを開発した(*4)。

 今回DNPはさらなる環境負荷の低減や温室効果ガスの削減をめざし、新たに植物由来の原料を使用した「バイオマテックインキ」を開発し、食品や日用品などの軟包装材における基本物性の評価と、供給体制の構築を完了した。今後、食品・日用品メーカーとともに、「バイオマテックインキ」への切り替えを進めていく。

【「バイオマテックインキ」について】

 植物由来原料を一部に使用した「バイオマテックインキ」は、石油由来のインキと同等の物性を有しているため、洗剤やシャンプーなどの詰替えパウチや、ボイルやレトルト、電子レンジなどに対応可能な高い機能を必要とする包装材の印刷インキとしても使用できる。また、植物由来原料を使用した「DNP植物由来包材バイオマテック」シリーズの「バイオマテックPET」、酸素や水蒸気のバリア性の高い「バイオマテックIB-PET」「バイオマテックVM-PET」などと「バイオマテックインキ」を組み合わせることで、さらに包装材全体として温室効果ガスの排出量を削減することができる。また、モノマテリアルパッケージへの適用も視野に入れている。

【今後の展開】

 DNPは、植物由来の原料を一部に使用した「バイオマテックインキ」と先に開発した「モノマテリアルパッケージ」を組み合わせることで、ライフサイクル全体の温室効果ガスの排出量削減とリサイクルの推進に寄与していく。まずは、「DNP植物由来包材バイオマテック」を採用している企業やフィルムパッケージのリサイクル技術開発にDNPと共同で推進する得意先を中心に、今回開発した「バイオマテックインキ」を提案していく。また、多様な材料メーカーや流通企業、リサイクル業者と協業し、“包装材で実現する地球規模の循環型社会”をめざしている。

 なお、同社は、10月2日(火)~5日(金)に東京ビッグサイトで開催される「TOKYO PACK2018(2018東京国際包装展)」のDNPブースに「バイオマテックインキ」を出展する。

 *1 グラビア印刷用のインキで、特色・金・銀・マット等を除く、墨・藍・紅・黄・白の基準色。裏刷り、ラミネート用途に限る。

 *2 SDGs(Sustainable Development Goals):2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発目標」

 *3 詳細: https://www.dnp.co.jp/biz/solution/products/detail/1188719_1567.html

 *4 詳細: https://www.dnp.co.jp/news/detail/1190279_1587.html

 ※「バイオマテック」は大日本印刷の商標で、植物由来原料を一部に使用したパッケージの総称


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