<イタリア・ボラーテ、2018年10月17日>特殊ポリマーの世界的サプライヤーであるソルベイは、ライトン(r) ポリフェニレンスルフィド(PPS)の各種押出成形グレードを上市する。この製品は、要求の厳しい自動車の冷却配管アセンブリ用途として、実績のあるライトン(r) PPS射出成形材料と併用可能。
この新しいライトン(r) PPS押出成形シリーズは、ライトン(r) XE3500BL、ライトン(r) XE4500BL、およびライトン(r) XE5500BLという3種類のグレードが用意され、グローバル展開する。これらのグレードの剛性は1500~2500 MPaの範囲で異なり、さまざまな肉厚と直径を持つフレキシブルチューブの要件を満たすことができる。また、押出成形後の熱成形にも適している。ソルベイの新しい押出ポリマー技術を使用して作られた柔軟な冷却配管は、高い溶融強度、耐薬品性、熱安定性を示し、破断時引張り伸びと衝撃強さが向上している。 ソルベイの射出成形グレードとしては、ライトン(r) XE5430BL(30%ガラス繊維強化)およびライトン(r) R-4-270BL(40%ガラス繊維強化)がある。これらの材料は既存のコネクターおよびブラケット取り付け部品の多くに適合することで定評があり、そのため、エンジンおよびトランスミッション用に完全調和した一体型の冷却配管アセンブリを自動車OEMが設計することができる。
「エンジンルーム内の温度により、既存の冷却配管の設計および材料ソリューションが限界まで押し上げられ、安全マージンが狭められています」と、ソルベイのSpecialty Polymers global business unitでEuropean Area Development Managerを務めるAndreas Lutz氏は述べている。「エンジンの小型化に加え、ターボチャージャー、スーパーチャージャー、自動変速機、エアコンディショニング、排気再循環システムなどの高温部品が一般的になり、これらすべてがますます縮小されるエンジンルームに詰め込まれることから『スペース不足』が発生し、過熱部分では従来の金属/ゴムおよびポリアミド樹脂(PA)による設計の耐熱性能を超える可能性があります」。
その中でも冷却配管はエンジンルームに収めるための設計が最後に行われるコンポーネントであるため、材料は、より複雑な配置を可能にする設計の自由度を与えるだけでなく、重量の増加(断熱構造の追加の必要性など)なしに動作の安全性を確保する高度な耐熱および耐薬品性能も提供する必要がある。
ソルベイのライトン(r) PPS押出成形グレードにより、OEM各社では、大型で高価なパワートレインの流体処理配管から、スマートで軽量の一体型ソリューションへの置き換えが可能になる。このソリューションには、コネクター、オーバーモールドされたブラケット、およびライトン(r) PPS射出成形グレードで作られた溶着によるブラケットが含まれる。
ヨーロッパの一部の大手自動車OEMは既に軽量のライトン(r) PPSソリューションを導入済みだが、他にもさまざまなクーラント、エンジン、パワートレインのオイル処理システムでの使用を検討中であり、従来の複合材料(金属/ゴム)とPAの設計の置き換えを模索している。「流体処理配管が複雑になればなるほど、軽量化のみならず製造の簡素化および組み立てコスト削減にライトン(r) PPSが貢献できます」と、Lutz氏は述べている。
ソルベイは、ポリマーの専門知識に加え、イタリアのボラーテで最近拡張された同社のApplication Development Centerにて、総合的な革新と技術サポートのサービスを提供し、自動車OEMおよび一次サプライヤーの各社がライトン(r) PPSの可能性を活用し、利点を最大限に引き出すための支援を行っている。
↧
【プラスチック】ソルベイのライトンPPS、柔軟で軽量な自動車冷却配管、ブラケット、コネクターに使用され、自動車の複雑な熱管理アセンブリシステムの進歩を実現
↧