DIC(株)は、バイオベース原料で製造したバイオマス度100%のポリエステル系可塑剤を開発し、(一社)日本有機資源協会が認定する「バイオマスマーク(バイオマス度100%)(※1)」の認証を取得した。可塑剤として、「バイオマスマーク(バイオマス度100%)」の取得は、同協会の認証で初の事例。同製品は、現在サンプルワークを開始し、量産化に向けてスケールアップを行う予定。
可塑剤は、塩化ビニル樹脂(PVC)を中心とする熱可塑性樹脂に柔軟性を与えると共に、最終製品の生産時に加工や成形をし易くする添加剤で、柔軟なPVC製品中には、数十%以上添加されていることもある。主な用途は、食品用ラップフィルムや、食品工場やレストラン等で使用されるゴム手袋などの食品接触材料、自動車内装材、家電製品の電源ケーブル被覆材、衣類のテキスタイルインキなど、日常的に使用される各種製品から工業製品まで多岐にわたる。
同社が開発したバイオベース可塑剤「ポリサイザー W-1810-BIO」は、再生可能資源である植物を原料とすることから、低炭素社会の実現に貢献する。また、安全性についても、塩ビ食品衛生協議会が定めるJHP規格(※2)の確認証明書を取得しており、食品接触材料への使用が可能。加えて、ポリエステル系可塑剤の特長である柔軟性、耐久性の点においても従来製品と同等の性能を有している。
※1) 「バイオマスマーク」とは、生物由来の資源(バイオマス)を利活用し、品質および安全性が関連法規、基準、規格などに合致している環境商品の目印で、一般社団法人日本有機資源協会が認定してる。(一般社団法人日本有機資源協会ウェブサイトより引用)
※2)「JHP規格」とは、食品衛生法の趣旨に則し、塩ビ食品衛生協議会が策定した自主規格(塩化ビニル樹脂製品などの食品に係る自主基準)。
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【バイオベースポリエステル系可塑剤】DIC、業界初のバイオマスマーク認証を取得
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