アイカ工業(株)は10月1日、防指紋加工基材用シリコーン粘着剤「SE-PS14シリーズ」を発売した。
スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、ディスプレイをキズから守るために保護用のフィルムやガラスの使用が一般化しており、それらの貼り付けにはシリコーン粘着剤が使用されている。シリコーン粘着剤は、貼り付け時の空気抜けに優れ、美しさや視認性を損なわないなどの利点がある。
同社は、保護フィルムの市場拡大を受け、2016年にPETフィルム基材への密着性に優れたシリコーン粘着剤「SE-PSシリーズ」を発売した。微粘着から強粘着まで粘着性を幅広くコントロールすることが可能で、ディスプレイへの糊残りも解消するシリコーン粘着剤として好評を得ている。
近年、スマートフォンやタブレット端末のディスプレイには、フッ素系の防指紋加工が施されており、撥水性や撥油性が高くなっている。また、デザイン性や耐久性への考慮からラウンドエッジ加工※された端末も増加している。そのような防指紋加工かつラウンドエッジ加工されたディスプレイに、シリコーン粘着剤が付いた保護フィルムを貼ると、撥水性・撥油性により粘着力が低下し、エッジ部分から浮きが発生するという課題が出てきた。
そこで同社は、独自の樹脂配合技術により、防指紋加工した基材に対しても高い粘着力を発現するシリコーン粘着剤「SE-PS14シリーズ」を開発した。同社従来品と比べて粘着力が約3倍となり、ラウンドエッジ加工の端末に保護フィルムを貼っても、端部から浮きが生じにくく設計されている。今後は、防指紋加工基材用シリコーン粘着剤として、フィルム加工メーカーに提供していく。2020年度の年間販売目標は1億円。
※ラウンドエッジ加工:端部に丸みを持たせた加工のこと。角を丸くすることで握りやすい、端部からの衝撃を受けにくくするなどの効果がある。
[従来品との粘着力の比較]
※防指紋ガラスに対する粘着力(代表値) 粘着層厚み20μm(dry)試験はJIS Z 0237:2009に準拠
「SE-PS14シリーズ」の特長
・ガラスやPETフィルムなどの防指紋加工した基材に対し、高い粘着力を発現
・ラウンドエッジ加工の基材に対し、ラウンド部分の浮きを抑制する
製品概要
■ 製品名 | 防指紋加工基材用シリコーン粘着剤「SE-PS14シリーズ」 |
■ 価格 | オープン価格 |
■ サイズ | 180kgドラム |
■ 発売時期 | 2019年10月1日 |