デンカ(株)は、経営計画「Denka Value-Up」の成長戦略のもとで進める「事業ポートフォリオの変革/コモディティー事業の位置付け再定義」の一環として、酢酸ビニルーエチレン系共重合(EVA)エマルジョン事業、および酢酸ビニル樹脂事業からの撤退を決定した。 両事業はともに1970年代より生産・販売しコストダウンなどの諸施策を講じてきた。しかしながら市場環境の変化が進む中、事業継続が可能な収益を安定的に確保することは困難と判断し、今回の決定にいたった。
同社は経営計画「Denka Value-Up」において、2022年度の営業利益に占めるスペシャリティー化率90%を目標に掲げている。今回の事業撤退に伴い、製造人員の成長領域への最適配置を含め、高機能エラストマーや高機能樹脂のさらなるスペシャリティー化を目指す。
【撤退事業の概要】
(1)酢酸ビニルーエチレン系共重合(EVA)エマルジョン事業
・製品名:デンカEVAテックス
・用途:建材・木工用接着剤、各種塗料など
・生産拠点:千葉工場(千葉県市原市)
・生産終了時期:2021年8月末(販売は2021年12月末で終了)
(2)酢酸ビニル樹脂事業
・製品名:サクノール、デンカASR、デンカメルト
・用途:建材用接着剤、FRP収縮防止剤など
・生産拠点:青海工場(新潟県糸魚川市)
・生産終了時期:2020年9月末(販売は2021年3月末で終了)