DIC(株)は、開発製品である温度・湿度・照度のセンシングに用いるやわらかい無線タイプのセンサー(以下、「やわらかい無線センサー」)のIoT実証実験を、イオンモール(株)の協力のもと、10月よりイオン藤井寺ショッピングセンター(以下、「イオン藤井寺SC」)で開始した。
イオン藤井寺SCでは、施設の省エネ・運営コストの削減、建物のインテリジェント化に向けて、イオンディライト(株)がオープンネットワークシステム※1による統合型施設管理サービスを提供している。
本実証実験は、イオンモールおよびイオンディライトのご協力のもと、以下の検証を目的として実施するもの。
商業施設においては、「人の居る場所を計測したい」という要望があるが、これまでのセンサーには、以下の課題があった。
●十分な設置スペースが無い
●センサーが目立ってしまい、意匠性の問題で設置が好まれない
●既存施設へ後付けで設置することが困難
●テナントやフロアレイアウトの変更時に適所設置が不可能
DICが開発したやわらかい無線センサーは、以下の特長を有し、商業施設のこれらの課題を解決する。さらに、製品の筐体自体にネジや硬いケースといった構成要素を持たないため、廃棄時の分解やリサイクルが容易で環境にも配慮している。
DICは、本実証実験の結果を踏まえて2020年度内を目途に同製品の製品化を目指す。加えて、「距離センサー」や「CO2センサー」などのラインナップ拡充も検討しており、オフィスの環境改善、介護施設の感染症警告やヒートショック回避、美術館の展示物保護、工事現場の熱中症警告など用途拡大を目指す。
なお、同開発品は、12月11日~13日まで青海展示棟(東京都江東区)にて開催される「スマートビルディング EXPO」の企業展示るコーナーにおいて展示する。
※1 オープンネットワークシステムとは、異なるメーカーの設備機器をネットワークで繋ぎ統合的に制御することで、省エネ効果、効率的な施設運営と遠隔オペレーションを可能とするシステム。
※2 LoRaとは、LPWA(Low Power, Wide Area)という、少ない消費電力で広いエリアをカバーする無線通信方式の1つで、IoT向けの通信ネットワークに用いられる。
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【IoT】DIC、イオン藤井寺SCでやわらかい無線センサーの実証実験開始
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