出光興産(株)の100%子会社である出光大分地熱(株)の滝上バイナリー発電所が(一財)新エネルギー財団が主催する平成29年度新エネ大賞において、最高ランクとなる「経済産業大臣賞」を受賞した。 「ENEX2018 第42回地球環境とエネルギーの調和展」(2月14日・東京ビッグサイト)で開催される表彰式にてプレゼンテーションが行われる。 地熱発電は安定的な出力が期待できる再生可能エネルギーだが、その中でも近年脚光を浴びているのが、バイナリー発電と呼ばれる方式。バイナリー発電では、熱源となる流体と低沸点媒体の2つの流体を利用するため「バイナリー」の言葉が名称に使われており、従来の地熱発電では活用できなかった低温の蒸気・熱水での発電を可能にする方式。
出光大分地熱が運営する滝上バイナリー発電所では既存の滝上発電所(出光大分地熱と九州電力(株)との共同運営)で使用されていない熱水を再利用し、熱効率を15%改善させた。このような未活用熱水の有効活用、発電容量向上の取り組みが国策である地熱発電の拡大に貢献するものと評価され、「経済産業大臣賞」を受賞した。
出光興産は1979年より地熱事業に着手しており、96年の九州電力・滝上発電所の操業開始以来、出光大分地熱・滝上事業所にて発電用蒸気を供給してきた。滝上バイナリー発電所は未活用熱水の有効活用を目的に、2017年3月に国内最大級のバイナリー発電所として商業運転を開始。既存の地熱発電所で使用されていない熱水を再利用するバイナリー方式としては国内商用第1号であり、注目を浴びている。
<滝上バイナリー発電所の概要>
位 置:大分県玖珠郡九重町大字野上3330-152(生産1号基地内)
発電機出力:5,050kW(出力)
年間発電規模:31百万kWh
事業内容:地熱発電事業(再生可能エネルギー固定価格買取制度活用)
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【地熱発電】出光大分地熱の滝上バイナリー発電所、新エネ大賞の最高ランク「経済産業大臣賞」受賞
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